――ドローンを始めたきっかけは?
定年を迎え、時間を優先しながら生活したいということがありました。それで、興味のあったドローンを始めました。キャンプ場や川とか山に行ったときに、空から撮ってみたらどうだろうと。それで、自己流でやっていました。
――たくさんのドローンスクールがある中で 私どもを選ばれた理由は?
今どきのドローンだと、ある程度(誰でも)飛ばせちゃうじゃないですか。「そのレベルでも(飛ばして)いいのかな」と思ってやっていました。
しかし、それでは不具合とか気候の変化とか、何かあったときに対応できません。実際、僕も風で飛ばされたり、電波が切れちゃったりしたことがありました。よくドローンを飛ばしている動画を見ると、そのまま落としたり無くしているものがあります。それなりの技術と知識を持たなきゃダメだなと。
実は、ドローンスクールは三ヶ所くらい行ったことがあります。そこでは、だいたい皆さん、「2~3日でいくらか払えばそれなりの技術が持てる」という話が出ます。「本当かな?」というのがありました。
それで、いろいろなスクールを見ていたら、一徳さん(当社代表)の「簡単には飛ばせない」という言葉があり、それがグサッときました。ちゃんとやろうとしたら、一徳さんの言うことはその通りだなと刺さりました。今の機体は、手を離しても操縦ができた気になります。この間まで、僕もそう思いながらやっていました。しかし、違うんだなと。
耳に残っているのは、「UAVプロパイロットになるには、ラジコンヘリや飛行機が普通に飛ばせられる」というところです。そこが、一番、興味が湧きました。ここなら、それなりの技術練習を教えてもらえるかなと思って、決めました。
――申し込み時にどんな不安がありましたか?
本気なのかどうか自問自答しました。本当に身につくのかなと。どれくらい時間かかるのかな。最終的にどれくらい費用がかかるのかな。正直、そういう不安がありましたね。
――どうやってその不安を取り除きましたか?
他社とは違うなと。一徳さんのキャラクターも大きい。あれだけいろいろな状況での飛行を経験している人に教われば、それなりのことが身につけられるのではないかと。
――まずは初級を受講してみてどうでしたか?
正直、自己流だけど「できるかな」と過信していました。でもやっぱり、ここでは違うんだなと。
スティック操作の指1本見ても違う。僕は、腹に近い方で押していました。いろいろ動画を見ると、そういう(間違った)教え方をする人もします。しかし、実際、生で指の先とか指紋にひっかかるやり方を見たり、一徳さんがマイクロドローンを飛ばしているスティックの動きを見たりすると、違いが分かります。今でも頭の整理がつきません(笑)。「なんで旋回のとき、『エレベーター』を下に押しているのに右に曲がるんだ?」と。自分では、右左、前後、上下の動きを理解しているつもりだったけど、実際のスティック操作は、ここでやったら全然違いました。
ずっと自己流で「モード2」でやっていました。この講習を昨日・今日と受けるとき、「『モード1』は、プロが推奨する操縦モードだ」と聞きました。それで、ここに来る1ヶ月くらい前に「モード1」に変えて、家の中で練習していました。しかし、右・左の「エレベーター」と「スロットル」が違うだけなのに、全然違う方に行ってしまいます。それで、「全部ゼロからやらなきゃいけないな」と。その方がいいやと。まったくゼロからやろうと思っています。
うまくなるためにそうします。うまくなった結果によって、どれだけ仕事ができるかが決まるからです。「仕事、仕事」と思っていても、うまくなきゃダメです。うまくなるステップを踏むには、いろいろな専門学校でもそうですが、それなりのプロに学ぶ機会があるかどうかで違ってきます。
――受講中に感じた不満はありますか?
1日目は座学で、2日目は実技をやりました。実体験に即した座学でした。逆にこれだけのノウハウがあれば、実技と座学を合体させているような時間があれば、もっと分かりやすいかなと。そんなことをするところは、なかなかありません。そういうことがあればいいのかなと思いました。
――受講前と後で一番 変わったところは?
最初は、どこまでできるのかなということがありました。今は、「よし、いけるところまで親父も頑張るぞ!」と。歳も60を過ぎて不安がありました。この歳で(ドローン業界を)目指す親父はいるのかなと思ってました。
しかし、ここでいろいろな話を聞いていると、自分のやる気しかないなと。受講費をムダ金にするわけにもいかない。もう一回、基本からインストラクターとやっていきたいです。
――受講前の自分に当スクールを今なら何と紹介しますか?
絶対に、こういうレベルのドローンスクールに通い、インストラクターから教わらないと身につかない。安全に飛ばせられないと言いたいです。「そこまでじゃなくても飛ばせられるよ」と思っている人は、いっぱいいると思います。僕もそう思っていました。だけどやっぱり、聞けば聞くほど違うと。もし周りに、ドローンで仕事がしたい人がいたら、自分が感じたからこそ、その人にも同じように言うと思います。