4ヶ月前までドローンを操縦したことがなかった2人の変化

今日、当ドローンスクールで中級の試験をやりました。2020年の10月から通っている生徒2人が、無事、中級に合格しました。今回は、その2人から心境などを聞かせてもらいます。

中村:中級、無事に終わりました。実技は軽く合格しましたが、学科のほうがね。実技に力を入れちゃった分、ちょっとおろそかになったところがありました。そのへんは勉強し直してください。ところで、2人は同じくらいにうちに通い出しました?

生徒:同じくらいですね

三浦:10月の2週目くらいからです

中村:4ヶ月でね。皆さん上手くなりましたね! 昨日、実技を外でやりました。昨日はね。暖かくて風もなく。今日はすごい風の中で飛ばしました(笑)。よく落とさなかったよね。

4ヶ月前の三浦さん

風のない中、GPSやセンサーありの機体を
まだスムーズに飛ばせない三浦さん……

4ヶ月後の三浦さん

風の中、GPSやセンサーなしの機体を
すいすいと飛ばす三浦さん……

悲惨だった4ヶ月前

中村:4ヶ月前のご自分を想像してみてください。どうですか?

三浦:動かすだけで楽しかったですからね。初めは。

中村:「Mavic Mini」は飛ぶとしても、マイクロドローンは飛ばせたんだっけ?

三浦:いや、悲惨でしたよ。バターンって天井にぶつかるわで。

中村:渡辺さんもそんな感じでしたよね

渡辺:それ以下じゃないですかね(笑)。まともに飛ばなかった。花火みたいな状態でした。

中村:他の生徒がそうなる気持ちもよくわかりますよね。皆さんが目の前で今そういう飛び方をしても、笑えないですよね。「こっからだよ」みたいな。

でもね、自分たちが練習していた時代から比べるとね。今はアイテムがいっぱいあるからね。プロになるまで1年かかりますよって言ってるけど、1年かけなくても多くの生徒がいくんじゃないかなと思って。4ヶ月でね。今日の中級の試験を見せてもらったときもね、すげえみんなうまくなったなと思って。

もちろんね、2人の努力が半端ないですもんね。何回、機体を壊したか。

渡辺:そうですね(笑)。「Mavic Mini」が1個にマイクロドローンがけっこう傷だらけですね。

中村:三浦さんもそうだよね。

三浦:そうですね。2回ぐらい機体を手術しました。

中村:一番最初の自分と、今日中級に受かった自分を比べてどうですか? 別人ですよね。

三浦:そうですね。こんな早くなれるとは思っていなかったです。もっと春先くらいまで、迷いつつやってるんだろうなと。

中村:2人は、操縦技術はついてきたんで、後はその他のいろいろな知識をつけてもらって。渡辺さんも、すぐパイロットとしてデビューしなきゃいけないので
※渡辺さんはすぐに仕事で飛ばすことが決まっている

渡辺:よろしくお願いします(笑)

中級受講のタイミングとは?

中村:2人は、初級を始めたのも一緒ですよね。今日、中級も一緒にやりました。どの程度から「中級を受けよう」と思いました?

三浦:「Mavic Mini」じゃなくて、この「オリジナルUAV機」を操れるようになってきたからです。あと、マイクロドローンです。それが一定のレベルくらい動かせるようになったくらいから。

この「オリジナルUAV機」が飛ばせれば、手動による繊細な操縦が可能になり、キレイな映像が撮れます。

中村:マイクロドローンは大きいですよね。その功績はでかい。この「オリジナルUAV機」は、三浦さんも渡辺さんも、昨日、今日で初めて飛ばしました。これはセンサーがほとんどついてない機体です。GPSを入れたって、なかなか止まらない機体です。まあ、落ちても直すのはそんなに難しい機体じゃないから大丈夫だとは思っていました。本当にね、2人ともよく飛ばしこなせたなと。じゃあ、機体がなんとなく自由に飛ばせるようになったところで、中級いけるかなって感じですかね。

逆に、初級を受かった後に、すぐ中級を受講したら受かったと思いますか?

三浦:いや、無理ですね(笑)。怖くて動かせないです。

中村:じゃあ初級終わったんで、各自練習して、次すぐ中級行きましょうとなったら、無理ですか。

渡辺:間違いなく無理です。対面が始まったらアウトです。

中村:でも今日、黙って見てたら、あの風の中、対面に挑戦していましたよね

渡辺:はい、やってました(笑)。

中村:あっすげー、対面やってるって思って。ノンGPSで対面って、上級の試験に入ってくるのでね。

渡辺:風に負けましたね(笑)。怖くなりました。

中村:島貫さん(当スクールのインストラクター)は、この機体を、初級終わってから、もう自主練、自主練でね。で、中級に。中級は一発で受かったのかな。その間にも、あっちのでかいドローンをひたすら飛ばして、練習していました。上級は3回くらい落ちてるんですけどね。その当時は、今みたいに「UAVステップアップ練習」をやっていないから。今回は、「ステップアップ練習」をやっているので。上級いけそうと思ったタイミングで受講すれば、受かると思います。合格率はこれから上級もどんどん上がってくるはずです。それは「ステップアップ練習」をやっているからですね。やってない状態で上級試験を受けると、3回4回は落ちちゃうんでね。

中級受講までに大変だったことは?

中村:4ヶ月練習していて、大変だったことはありますか?

渡辺:一番最初のマイクロドローンです。ホバリングするところが最初の壁でした。それができるようになったら、動かせる雰囲気が出てきました。

中村:今日の風の中、ノンGPSの機体をあそこまで操れたら、非常にいいと思います。

GPSが入っていてそれなりに安全な機体でも、最初のイメージとある程度練習していろいろな機体が自由自在に飛ばせるようになったときだと、操縦感が変わってきました? 自分の思い通りに動くイメージがあります?

三浦:そうですね。それはありますね。

4ヶ月でみるみるドローン操縦が上達した生徒2人

中村:あとは、どんどんそのイメージで飛ばしていけば大丈夫です。本当にね、皆さんの成長ぶりにはびっくりしています。

だからといって、まだ終わったわけじゃありません(笑)。こっから先、また練習をしながら、次を目指します。

少し飛ぶイメージがついたと思うんですよ。飛ばして何かをやるという。撮影や点検、調査などで、機体を操作するイメージがついてきたと思います。今後、それらをやる中で、今心配なことはありますか?

三浦:とっさの判断ですよね。危険回避への対応など。

中村:今日、渡辺さんが危険回避してたよね(笑)。あれだけ反応ができればいいのかなと思います。もちろん条件がいい現場だったら、そんなに苦労することもないし大変じゃありません。ただ、何が起こるか分からないのでね。さっきも、条件によってはリターントゥホームがかかっちゃうときに、どうやって対処するのかとかね。

でも、この4ヶ月間飽きずに続けられましたかね。長かったですか? 短かったですか?

三浦:はい、短いと言えば短いですね。長くは感じなかったです。必死になってやっていたから。

渡辺:必死のみです(笑)

中村:皆さんの一番最初の「Mavic Mini」とか「Mini2」での飛ばし方と、昨日や今日も「Mavic Mini」で旋回したじゃないですか、そのときの自分が操縦している機体と、今日操縦した機体を見て、どんな変化を感じますか? 別の機体のような飛び方をしてませんか?

三浦:そうですね、別物です。最初と比べれば全然違いますね。

今、ドローンの仕事で不安に感じていることは?

渡辺:ラジコン経験もなく、ドローンを学んでいます。仕事で飛ばすことが大前提のスタートで。正直、なかなか上手くならず、とにかく練習するしかないという気持ちでやってきました。今は、ある程度飛ばせるようにはなったかなと思っています。今度は、知識を自分のものにしたいと考えています。仕事で飛ばす以上、安全第一ですし、なおかつお客さんの要望にどこまで応えられるか。それには技量と知識が両方ないとダメです。そこで、「これをやっておけば事故はなかった、機体をなくさなかった」という知識をどんどん教えて頂きたいなと思っています。これは自主練はないんですよね。

中村:そうですね、練習でその知識がつくわけではないですからね。

渡辺:知識と経験が得られればありがたいなと。

中村:この間も会員限定のオンラインセミナーで、国土交通省の事故事例の勉強会をやりました。そこで分かったのは、半分以上が、知識や経験があれば防げた事故でした。そのへんは、練習したからって身につくわけではありません。私も経験の中から、「これだけは覚えておくと役立つ」ということを、どんどん生徒さんにお伝えします。

ドローンのプロパイロットになるには、覚えることが膨大にあります。だから、重要なところからやっていきましょう。時間をかけながら、より本物のドローンパイロットになってください。

まだまだ間違った知識を教える人も多いです。例えば、ラジコンとドローンは違うと言っている人がいます。もともとドローンは、ラジコンという基礎の上にあります。ベースのラジコンが分かっていないと、ドローンは扱えません。ラジコンはラジオコントロール(遠隔操作)ですよね。ラジオコントロールで動くという前提の上に、ドローンがあります。ラジコンの知識はものすごく大事です。特にこれから日本製の機体が出てくると、それは顕著です。日本製の機体は、RC(ラジオコントロール)屋さんが作っているので、よりRC感が強くなってきます。ラジコンの知識が非常にものを言います。別物に考えちゃっている人が多いです。でも、全然違う話でね。RCベースの上にドローンがあります。

今後、上級を目指すにあたり大切なこと

中村:引き続き練習を続けたり、ドローンの仕事をやりながら上級合格を目指しましょう。今後は、より仕事に通用する知識を吸収していかなければなりません。でも、このまま行くと、上級合格も早いんじゃないですか。

これから先は楽しみながらの世界です。もちろん気を抜くわけではありません。気を引き締めながら、でも、ドローンを飛ばすことを少しでも楽しみながらね。それで仕事ができればいいのでね。あまりガチガチになると映像にも緊張が出てきちゃいます。楽しみながら撮った映像はね、いろいろな方に感動を与えます。まだ難しいですよね、動画とかは。

渡辺:まだその世界の入り口に立ったぐらいです。難しそうだとは予想しています。

上級合格で一番大切なことは、楽しみながらドローン(マルチコプター、ラジコンヘリコプター、ラジコン飛行機など)を飛ばすこと

中村:ドローンは飛ばせば飛ばすほど、必要な知識や技術がが分かってきます。例えば、「送信機の設定が分からないとダメだ」とかありますもんね。私は分かってるから教えるときに「こうすればいいよ」と伝えるけど、今後はそういうことも自分で理解しなくちゃいけない。

あまりね、危ない目に合っては欲しくないのですが、少しヒヤリハットなんかも経験しながらね。いい意味で危ない目に合ってもらいたいです。ずっと安全なところで飛ばすなんてことはないので。

今日の強風は思わず言っちゃいました(笑)。「いい風吹いてるな」って言ったら、「いい風じゃないよ」って(笑)。そりゃ飛ばしてるほうは必死だよね。

でも、今日のあの風の中を飛ばせたら、けっこう自信になるんじゃないですかね。「あの中でも落とさなかったぞ」って。

渡辺:自信よりも「ホッ」としました(笑)。マイクロドローンで練習しているイメージが出せたのかなと思います。

中村:いくらGPSや気圧センサーが入っていたって、風が吹けばバンバン高さは変わるし、バンバン流されます。マイクロドローンみたいに何もセンサーがついていない機体で練習すれば、悪条件にも対応できます。

渡辺:間違いなくそうですよね。

中村:うちとしては、身につけたスキルを仕事で使ってもらって、それで利益が出て、「稼げたぞ!」って報告を早く聞きたいですね。

渡辺:頑張ります(笑)

中村:三浦さんもね。いつでも、ドローンの高い操縦技術を持っていれば、何かあったときに役立ちますから。場合によっては、今の仕事を辞めて、渡辺さんが「うちに来てくれ!」って言うかも

一同:笑

中村:今ね、ドローンのパイロット募集がいっぱいあるみたいですけどね。あるけど、やっぱり受かる人が少ないという話です。職安にも募集が来ているみたいです。この前聞いたのは、8人くらいの応募が来て、全員が落ちちゃったっていう話です。それくらい企業も条件を厳しくしているのでしょうね。

うちとしては、厳しい条件の企業にも一発で受かる、そんなドローンパイロットさんをどんどん育てていくだけです。

皆さんは、これから上級を目指していくわけですが、中級が取れればうちでも簡単な仕事をお出しできますので、それで結果を出してもらえたら嬉しいです。

今日は、中級の試験お疲れさまでした。ありがとうございました。