※まずはこのビデオで真実を知ってください


コロナ渦の中、新たな仕事を求めてドローン操縦の資格を取る人が増えている。しかし、資格だけを目的に取得しても意味がない。そしてドローンの資格には嘘が多い。果たして、その真相とは?

プロから見た「ドローン資格」とは? 00:00

――今、ドローンの資格がたくさんありますが、それについてドローンのプロパイロットである中村一徳さんはどう考えていますか?

よくうちのお店(埼玉県秩父の「Freaks Garage」)にも、「資格がないとドローンを飛ばせないみたいだから、資格を取りたいんですけど……」というお客さんが来られます。そのたびに、「日本には飛ばすために必要な資格はないんですよ」と説明をしています。

また、「こちらで資格は取れますか?」「どんなドローンスクールで資格を取ればいいですか?」という相談もよく受けます。そういうときも、「うちで資格は取れます。でもそれは、あくまでうちで出している資格です。よそのドローンスクールの資格も、その団体が出している資格です。別に資格がなくても飛ばすことはできますよ」と説明しています。

どうもほとんどの人が、「資格がないと飛ばせない」と勘違いしているようです。しかし、今、日本では、飛ばすための資格は存在していません。もちろん、2022年あたりから免許制になるような動きはあるみたいですが、今は飛ばすために必要な資格はありません。だから、「資格がいりますか?」と聞かれるとけっこう困ります。

これはあまり大きな声では言えませんが、多くのドローンスクールは、「資格が取れるからぜひ来てください」みたいに広告しています。でも、資格だけ取っても、実際にドローンは飛ばせませんからね。最近、そういう「資格がほしい」という人が多くなってきた気がします。

なぜ「資格を取らないと飛ばせない」と思い込む人が多いのか? 2:48

――どうして多くの人は、「資格を取らないと飛ばせない」と思い込んでいるんでしょうか?

雑誌やインターネットでは、たくさんのドローンスクールが広告を出しています。そこには、「なんとか何級」「なんとか資格」といって、ドローンの資格が取れることが書かれています。そういうのを見ると「資格がないと飛ばせないのかな?」という印象を抱いてしまいます。あと、広告の中には「国土交通省公認資格」と書いているものもありますが、これは間違っています。まだ日本には、国が公認しているドローンの資格はありません。しかし、「公認資格」と書かれていれば、普通は「この資格がないと飛ばせないんだ!」と思いますよね。それで勘違いしちゃう人がいるのかもしれません。

「公認の資格がない」とは? 4:04

――「公認資格がない」というのはどういうことなんですか?

全国どこでも通用する免許証のような制度を、まだ国がやっていないということです。2022年以降、免許制になるという動きがありますが、今はまだそうなっていません。しかし、まるでそうなっているがごとく書かれているドローンスクールの広告を、よく見かけます。まだ国交省は公認していません。

ちなみに、もしかすると免許に関しては、国土交通省の管轄じゃない可能性があります。これは定かな情報ではないんで、公的な場では詳しく言えません。ただ、私の知っているかぎりでは違う省が動いています。そういう情報が入ってきています。

今、巷にある資格はどういうものか? 5:09

――では、今あちこちで見かけるドローンの資格というものは、どういうものなんですか?

そのドローンスクールが独自で発行している資格ですよね。だから、そのスクール内でしか通用しないものです。

資格はどこで取っても一緒か? 5:25

――そうなると、どこのドローンスクールで資格を取っても一緒ですか?

一緒というと語弊があります。それだと、「どのスクールの資格を取っても同じレベルの技術が身につく」ようなイメージです。しかし、身につく技術はスクールによってばらばらです。例えば、Aというドローンスクールで資格を取った人とBというドローンスクールで資格を取った人は、できる飛行がまったく違う、ということが実際にあります。資格を持っているというと、まるでみんな同じレベルの飛行ができる気がします。しかし、まったくばらばらです。

なので、私は腕のいいドローンのパイロットさんに仕事を紹介していますが、私のもとに「どこそこのドローンスクールの資格を持っています」という人が来ても、必ずうちの試験を受けてもらっています。そうしないと、資格だけでは本当のレベルが分からないからです。

資格があると仕事がもらいやすくなるか? 6:30

――資格があると、一般的に企業から仕事がもらいやすくなるんですか?

もらいやすくなるかどうかは分かりません。ただ、企業としては、まったく資格を持っていない人よりは、持っている人のほうが選びやすいでしょう。資格があるということは、何も知らない人よりは知っているということですから。一応、勉強をしているわけですので。

ただ、ドローンは、資格で飛ばすものじゃないんですね。腕で飛ばすものです。技術がなければ、どんな資格を持っていても飛ばすことはできません。

そう言うと、「飛ばす技術があるから資格を取れたんでしょう?」と思うかもしれません。これがまたどっこいで、全然そんなことないんですよね。資格を持っていても飛ばせないパイロットはいます。これは関係者に聞いた話ですが、あるドローンスクールでは操縦マニュアル通りに飛ばせたら、もうその人は「パイロットです」ということになるみたいなんです。そういうスクールで資格を取った人に、ある企業さんが仕事を頼んだら全然飛ばせなかったようです。「資格がなくて遊びやっているうちの社員の方が、ドローン飛ばすのうまかったよ!」なんて言っていました。資格だけでは判断できません。

資格を取るメリットとは? 8:59

――そうすると、資格を取るメリットはあるんですか?

メリットは、まず資格を持っているっていう自己満足が得られることですね(笑)。

他には、ちゃんとしたドローンスクールの資格であれば、企業から信頼してもらいやすいかもしれません。企業が、その資格を発行しているスクールのことを知っていて、「そのスクールを出たパイロットだったら安心して任せられる」となるのであれば、その資格を取る意味があるでしょう。

しかし、そうした資格を持つパイロットさんがどれくらいいるかは、私には分かりません。経験上、皆無に近いですよね。出会ったパイロットさんのほとんどは、プロの飛行ができていませんでした。あるプロパイロットさんと一緒に仕事をしたときも、「えっ?」っていう腕でした。「えっ?」どころか、うちで趣味でドローンを飛ばしている高齢のパイロットさんより飛ばせていなかったです。そういう事実があります。びっくりしました。

仕事内容に応じて資格が必要か? 10:36

――農薬散布、空撮、測量など、仕事の種類によっては資格が必要ですか?

必要ないです。もし資格を持っていても、ほとんどのパイロットさんは難しい仕事には就けないと思います。例えば、あまり外で飛ばしたことがない人に、「風が吹くなかを飛ばして調査してください」と言ってもできないですよね。無風でしか飛ばしたことがないと、風速3mも吹いたら、もうびびってしまって一切離陸ができない。もちろん、全員がそうとは言いませんが。

――仕事をこなせるかは別問題として、とりあえず資格がなくても仕事で飛ばすことができるんですね

できます。うちは資格がなくても仕事をやっている人がいますから(笑)。

機体の重さや大きさによって資格が必要か? 12:05

――ドローンの機体が200g以上や未満だったり、大きさや重さよって資格が必要になりますか?

今は、法律上「200g」という数字がキーポイントでね。200g未満の機体であれば、一応、航空法は適応されていません。一方、200g以上の機体に関しては何も区別がない。210gの機体を飛ばそうが、総重量10kgの機体を飛ばそうが、何も制限がありません。

重さというと、「PHANTOM」くらいなら2~3kgくらいですかね。うちで飛ばしている一番重たい機体は、40~50kgくらいあります。それは極端に大きい機体ですけどね。今作っている機体だと10kgいかないくらいかな。一人で持つと、けっこう重たかったりします。そういう機体も、資格で飛ばさなくちゃけいないんですよね。

――資格で飛ばす?

例えば、「私はどこそこの資格を持っています。仕事をください」というパイロットさんが来たとします。その人に企業が、「この直径1.5mのドローンを飛ばしてください」という条件を提示したとします。そうなればパイロットさんは、依頼された機体を飛ばさなければなりません。果たして、その持っている資格で飛ばせるのかということです。だから、資格じゃないんですよね。飛ばすための知識と技術がないと、仕事で飛ばすのは難しいでしょう。

ドローンに関係した他の資格は取ったほうがいいか? 14:26

――ドローンに関係した他の資格、例えば「アマチュア無線」とか「陸上特殊無線技士」などは、取ったほうがいいのですか?

これもよく聞かれるんですよ。この間来られたお客さんも言っていました。「陸上特殊無線技士」の資格を持っていますと。でも、普通に仕事をするには、必要な資格ではありません。

ちょっと勘違いしているみたいです。だぶんこれも広告が原因じゃないかな。雑誌の広告なんかにもよく、「当スクールなら『アマチュア無線』とか『陸上特殊無線技士』が取れます!」と書いてあります。そう書いてあるから、「資格を取らないと仕事ができないのかな」ってイメージを持ってしまうのかもしれません。

「アマチュア無線」や「陸上特殊無線技士」といった資格があるといいのは、ドローンレースをやりたい場合ですね。今、FPVという飛ばし方が流行っています。これは、機体の撮っている映像をゴーグルで見ながら操縦するものです。このとき、機体から映像を電波で飛ばします。その電波帯には、よく5.8Ghzが使われます。5.8Ghzの電波帯を使うときに、そういう資格が必要です。ただ、「アマチュア無線」というくらいなので業務利用はできません。また、今ではわざわざ5.8Ghzを使わなくても、ほとんどの機体は、免許のいらない2.4Ghzという周波数帯で飛ばせます。

ドローンを仕事で飛ばすなら資格はいりません。うちでもパイロットさんに、測量や調査、点検、空撮、動画撮影といった仕事を出していますが、資格は必須じゃないです。持っていても邪魔にはなりませんが、今のところ、わざわざ取る必要はないでしょう。

もし資格を取るなら、独学かドローンスクールか? 18:26

――もしどうしても資格が必要なら、取り方として、テキストを買って家で独学がいいのか、それともドローンスクールに行くのがいいのか、そのへんはどうでしょうか?

ドローンスクールに行って取得するのが、絶対にいいです。ただ、「きちんと教えてくれるところ」です。きちんとというのは、その人がプロパイロットになれる、本当に必要な知識や技術、情報などのことです。そういうところに行くべきです。

やはり、自己流でやって伸びる人は少ないと思っています。例えばゴルフでいうと、グリップ一つにしても、プロの型があります。そういうのは自己流でやってもできない。プロのグリップを見て真似してやっても、それは自分のやり方でやっているだけです。プロからすると「間違っているよ」ということがあります。プロに見てもらえる、そんなスクールで学ぶのが間違いないです。

一番やってはいけないのが、自分でいろんな本を買ってきて、自己流でやることですね。それだと変な癖がついてしまうこともあります。そうなれば上達しません。

2022年に免許制になったらどうなるか? 20:37

――2022年に、ドローンの操縦が免許制なるかもしれないということで、そうなると、実際にはどんな変化があるんですか?

この話題は、私も仲間たちと話しています。免許制にする以上は、生徒が、どのドローンスクールを出ても、ある一定のレベルで飛ばせなければなりません。しかし、現状はドローンスクールによって、まったく身につくレベルが違います。レベルをそろえなければならない。果たしてそんなことができるのかなとは思います。

それから、どれくらいのレベルのパイロットを正式なドローンパイロットとして国が認めるかですね。私の考えですと、「GPSが入らない」「センサーが動かない」といった非常事態でも、ある程度は飛ばせないとまずいです。そうじゃないと、災害調査や人命救助もできません。今、あちこちでドローンに関する事故やトラブルがあるので、私としては、きちんと飛ばせない人は免許が取れないようにしてほしいくらいです。

もしそれくらいの厳しい免許制になったら、今あるドローンスクールのインストラクターさんのほとんどが、免許を取れないかもしれません。私もドローン関係の展示会などに出席しますが、そこでいろいろなインストラクターさんと話をしていると、「え? え? え?」と思うことばかりです。それくらい知識や技術が追いついていません。

だから、国が免許取得のレベルを高くしてしまうと、おそらく合格者がほとんど出ないかもしれません。かといって、試験を簡単にしてしまったら、今よりも事故が起こるはずです。安易に免許を与えれば、最悪なことが起こります。正式な免許ですから、「俺、免許持ってんだぜ」が通用してしまいます。そういう現実があるなかで、国がどこまでつじつまを合わせられるのか。私としては、ある程度は厳しくしてもらいたいですね。合格率は10~20%くらいで。これは、大げさなことを言えば、日本のこれからのドローンの発展にも関わってくるはずです。国交省なんかに知り合いがいるので、要望を出しておきます。「合格基準をこれこれこういうふうにしてくれ」って。申し訳ないけど、簡単に飛ばせないようにしてもらわないと、私たちが仕事で飛ばせなくなってしまいますから。

今の資格は、形だけの資格です。皆さんには、形にとらわれるのではなく、知識と技術をきちんと身につけてほしいですね。そうして、よりよいプロパイロットになって、仕事をこなしていただけたらなと思っています。

実は、今日ホットなニュースがありました。ある大手企業さんから、プロパイロットを紹介してほしいという依頼が来ました。「フリークスガレージさんのドローンスクールの卒業生は信頼できるから、とにかく腕のいい生徒を紹介して!」と。とにかく、企業もパイロットが足りていないんですよね。「もう、いくらでも紹介して!」って。私も、全国で活躍できるパイロットを一人でも多く育てて、それが日本のためになったらいいなと思っています。この老体にムチを打って(笑)。まだまだがんばります。

今うちも、自分のところでインストラクターを育てています。あと、インストラクター募集もしているんですよ。ただ、うちはパイロットさんに要求する技術レベルが高いです。もし、よそでバリバリやっている方が来られても、うちの試験に合格しないと、フリークスガレージのインストラクターにはなれません。どこかの資格を持っていても、それが本物かどうか、うちに来ればわかります(笑)。ぜひ試してみてください。

ドローンの資格について一番言いたいこと 26:50

――最後になりますが、ドローンの資格について言い足りないことはありますか?

とにかく、今は資格にとらわれないでほしいですね。この間も、うちに来たお客さんで、「どこそこのドローンスクールに通おうと思っているんですがそこはどうですかね?」と相談されました。資格に魅力を感じていたようです。すごく費用が高いところでした。3日通って30~40万円くらい。それで、私の考えを率直にお伝えしたら「辞めます!」と(笑)。けして辞めろとはいっていないんですけどね。「通う前に聞いておいてよかった!」なんて言っていました。広告にいいことが書かれていたみたいなんです。でもその人は、「どう考えてもそれは無理でしょう」と疑問があったようです。それで、秩父にドローンの専門家がいると聞いて、私に会いに来てくれたという。

もちろん、きちんとしたドローンスクールはあります。今後は、「そういうところの資格がある人には、安心して仕事が出せる」、なんて企業も増えてくるかもしれません。そうなっていけばいいです。ただ、資格だけをウリにしているドローンスクールも、まだまだたくさんあります。そういうところはどうなのかなって思います。

とにかく、資格にはこだわらないほうがいいです。2022年以降は免許になるかもしれませんが、今はまだ資格がなくても仕事はできます。うちでも仕事を出せます。腕さえあればですが。

これからドローンを始めるなら、自己流ではなくきちんとしたプロから習ってほしいですね。資格に惑わされず、よりよい知識と技術が身につくドローンスクールやインストラクターを見つけてください。

その他 参考記事

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